嘆きの老婆心。復讐するは嫁自身に在り
【神様アメーバ様を生き残れる者とは:「嫁の鑑」】
‘嘆きのテレーズ’(1953年)
ラカン夫人:テレーズの姑
両親を亡くしたテレーズを引き取って育て、溺愛する息子カミーユの嫁にした
溺愛していた息子の死以来全身不髄となって口が利けず、ただ嫁を睨むだけの姑
「アテクシの可愛い息子ちゃんを頃したの、お前と間男だろぉ」
間男の存在ともかく、息子の死に疑念を抱き、悪い事は全て嫁のせいと信じる糞トメの鑑である
この姑、損な役回りだ
無声映画版ではね、良トメさんまで行かないが、糞トメまでも行かなかったと考える
姑が、嫁を、息子の友人である間男とくっつけてあげるんだよ
息子の死因を知らないとはいえ
嫁を娘と見做し、若後家さんの強制は不憫に思ってくれたんでしょね
姑の思い遣りを感じた故に、元嫁と元間男が良心の呵責を覚えて自滅する
事の次第を知った場面で初めて、黙って、「アテクシの可愛い息子ちゃんを…」
それでこそ、スリル満点じゃん
嘆きのテレーズを撮ったマルセル・カルネ
ベルギー出身の名脚本家シャルル・スパークと共同でエミール・ゾラ文学を翻案した
自分自身が嫁母にでもイビられたのやらと邪推したくなる一作である
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